特定非営利活動法人しまね子ども支援プロジェクト

寄付で応援する

団体概要

理事長挨拶

僕は島根大学で教員をしています。専門は行政学です。行政の仕事と言えば、「公務(=世直し人助け)」です。だから「公務員」と呼ばれるわけですが、逆に、「公務」を担っているのは行政だけではありません。ボランティア、町内会、NPO、企業も担い手です。そのため、これまで僕は「行政研究」だけでなく、様々な「世直し人助け」に注目して、また、多少なりとも自ら「実践」しながら、教育研究を行ってきました(例えば、ここをご覧ください)。
とはいえ、直すべき課題はまだ多くありますし、助けを必要とする人たちも今なおたくさんおられます。関心は広がる一方で、能力も時間もその不足を痛感するばかりです。

そんななか、なぜこの法人、あるいは、子どもの貧困、シングル家庭、なのか。
正直に申し上げます。成り行きです。いや、ここはやはり「縁」というべきでしょうか。いずれにしましても副理事長の樋口に巻き込まれた、というのが実際のところです。彼は母子家庭に育っていますが、僕にはそのような「原体験」はありません。幸い、両親はいまなお健在ですし、およそ半世紀ほど生きてきて、食べるのに困るといったようなこともありませんでした。
もちろん、貧困や格差などについては研究者としてかねて関心があります。また、特にプライベートでは、子どもたちともそれなりに付き合ってきました(例えば、読み聞かせは15年続けていますし、PTA役員も都合10年、自治会では子ども担当を5年ほどしています)。しかし、子どもの貧困などに真正面から向き合って自ら実践的に取り組むということはありませんでした。
そこで、樋口です。突然、定年退職を待たずして仕事をやめ、自ら課した積年の「使命」(以下、当人の挨拶をご参照ください)に身を投じるというではありませんか。彼とはもう20年の付き合いになります。性格もキャリアも違いますが、口角泡を飛ばしあいながらあれこれ一緒にやってきました。ここで知らんぷりするわけにもいかないでしょう。二つ返事でした。当初の約束は「餅つき」担当でしたので、理事長ってのは想定外ではありましたが…。

ところで、「クール・ヘッド(冷静な頭脳)とウォーム・ハート(あったかい心)」という言葉があります。もともとは経済学者の理想的な姿を表現したものですが、それにとどまらず、多くの人、さらには団体にとっても当てはまる至言だと思います。
ひるがえって、当法人…。樋口の想いが「ハート」を代表しているのだとすれば、僕は「クール・ヘッド」を担えるよう微力を尽くしたいと考えています。さらに、俗に「(ヘッドとハートに加えて)『ストロング・ボディ』も重要」とも言われるようです。すでに心強い仲間も集ってきてくれています。彼/彼女らとともに、また、関係各位のお力をお借りしながら、頑強な組織を作り上げていく所存です。
ご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。

理事長 毎熊浩一

副理事長挨拶

私たちのページをご覧いただき、ありがとうございます。
私自身、7歳のときに交通事故で父を亡くし、母子家庭で育ってきたという経験から、特定非営利活動法人しまね子ども支援プロジェクトを設立しました。
昭和47年11月27日の夜のことです。夕食を一緒に食べた父が、わずか3軒隣の家に出かける途中、車にはねられ、即死しました。
父はその1年ほど前に、借金をして事業を始めたばかりでした。母は、その事業と借金を引き継ぎ、がむしゃらに働いて姉と私を育ててくれました。朝3時に牛乳配達に出かけ、昼は会社で働き、帰ってくるのは大概10時頃だったと思います。
夕食の食卓には、スーパーの売れ残り惣菜がパックのまま並ぶことも多く、私はいつも愚痴を言っていました。母親のおかずはないときもあり、「お母ちゃんのは?」と聞くと、「後で食べるから」と言っていました。今思えば、すぐにでもわかりそうな嘘ですが、当時の私はそのまま信じていました。実は、夕食どころか、昼食も会社を出て公園で水を飲んで膨らせていたことを知ったのは、大学生になってからでした。

NPO法人しんぐる・まざあずふぉーらむの調査では1日3食を摂れない子が44%。今、この豊かな日本で十分な食事をとれない子どもたちがいると聞くと、本当に辛くなります。
話は変わりますが、以前、阪神・淡路大震災の遺児支援に携わっていたことがあります。被災地を離れて20年以上が経過した数年前、震災当時5歳だった女の子の結婚式に招待されました。その女の子の最後のスピーチに目頭が熱くなりました。
「私は震災で父を亡くしました。そのことは今でも本当に悲しく思っています。でも、一方でそのことがあったから、ここにいる皆さんと出会うことができ、今日この日を迎えることができています。今、私は幸せです。」
その女の子だけでなく、他の子たちも今や立派な大人に成長しており、子どもへの支援はその子の人生を大きく変える可能性があると痛感した瞬間でもありました。

現在、島根県でも「子ども食堂」や「フードバンク」が運営されていますが、その数は支援を必要とされている方の数からすれば圧倒的に不足しています。出雲市だけでもひとり親世帯のうち低所得のため、児童扶養手当を受給しておられる数は1,400世帯にのぼります。その数は総世帯数の2%(50世帯に1世帯)にあたり、親子あわせて3,550人が経済的に困難な状況にあると推計しています。
そこで、自己資金により常設フードバンク「コミュニティフリッジ出雲」を運営することといたしました。周囲からは無謀な挑戦ともいわれていますが、一人でも多くの子どもたちが貧困から抜けだし、人生を変えられるよう、皆さまからのご支援をよろしくお願い申し上げます。
そして、ひとり親家庭の皆さん、今は大変な状況だとしても、笑って振り返られる日がいつか来ると信じて頑張りましょう。

副理事長 樋口和広

団体情報

団体名特定非営利活動法人しまね子ども支援プロジェクト
郵便物発送住所〒693-0021
島根県出雲市塩冶町1607-6
活動場所所在地〒699-0732
島根県出雲市大社町入南836
※いずれも職員が常駐しておりませんので、ご注意ください
電話0853-31-5149
FAX0853-21-3084

役員情報

理事長  毎熊浩一
副理事長 樋口和広
理事   三代晃大
監事   勝部恵治

定款

特定非営利活動法人しまね子ども支援プロジェクト

情報公開

令和5年度事業計画書